本記事では ソリューション アーキテクト アソシエイト(以下 SAA ) 資格受験を考えている皆さんのために、試験の概要と資格取得のメリット、資格取得に向けて筆者が使用した学習資料についてお伝えします。
まずはじめに、 SAA の取得について、1 週間や 2 週間で取得した記事などが多く見受けられますが参考にしないでください!
結論からいうと試験問題のパターンを覚えさえすれば 1, 2 週間で資格の取得自体は可能ですが、テストのための知識になってしまいます。
SAA は実務歴が1年以上求められる資格試験ですが、しっかりと勉強すれば 1 ヶ月半もあればインフラ構成と AWS の両方を理解でき、合格可能です。
※筆者は 2022 年の 1 月に SAA の資格を取得いたしました。
SAA とは?
SAA とは AWS の認定資格の1つです。国家資格ではありませんが、 AWS の資格ということもあり世界中で資格保持者は評価されます。
AWS の認定資格は取得難易度によってレベル分けがされ、下記のように定義されております。
難易度 | AWS の取り扱い | レベル感 |
---|---|---|
初級 | AWS 認定クラウドプラクティショナー | クラウド初学者、これから学びたい人向け、どのようなサービスがあるのかわかる、ネットワーク構造の基本が学べる |
中級 | Associate | AWS もしくはその他クラウド経験者が合格できる、AWS を使用したインフラ設計ができる |
上級 | Professional | クラウドのエキスパート、設計から実装まで行える |
専門 | Speciality | 機械学習、DE など各分野の専門資格 |
SAA はクラウド分野の中級: Associate レベル(クラウド・インフラの中級者が合格可能)の資格です。
イメージとしては、AWS を用いて実務レベルのインフラ構成が可能なレベルになります。
SAA の試験概要
SAA の資格試験における主な内容は、下記事で公開されております。
英語での記述なので、大まかな試験範囲に関しては下記をご確認ください。
- 弾力性に優れたアーキテクチャの設計
- 高性能アーキテクチャの設計
- セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計
- コストを最適化したアーキテクチャの設計
試験は 4 つのセクションから構成されており、主に インフラ の基礎知識や AWS サービスの使い分け、実装と考慮事項について出題されます。(詳細に関しては、後ほどご紹介します)
また試験の基本情報は以下のようになります。
基本情報 | 詳細 |
---|---|
受験料 | 150 USD |
試験時間 | 130 分 |
対応言語 | 英語、日本語 |
形式 | 選択式 |
実施形態 | ・テストセンター(外部の試験会場) ・自宅受験 |
SAA に受験するメリット
SAA を受験すると、以下のようなスキルが身につきます。
- AWS サービス特徴を理解し比較ができる
- 実務レベルのインフラ設計力が身につく
- ネットワーク・ DB ・セキュリティなど幅広い基礎知識が身につく
インフラ設計力はもちろんですが IT 領域の全体像が掴めます。
IT 人材の不足が言われている今、幅広い IT 知識とクラウドの両方に精通する知識を持った人材は非常に貴重です。
続いて、具体的な試験範囲についてみていきましょう。
SAA の試験範囲
試験は全部で約 65 問、出題されます。下記 4 セクションについて、それぞれ詳しく解説していきます。
各問題の配点ですが 0~100 点で配分されており、基礎を確実に抑えて高得点の問題に正解することが合格のコツです。また、この内の15問ほどは最終的な点数に加算されないため、1問あたりの配点がかなり高いです。
- 弾力性に優れたアーキテクチャの設計
- 高性能アーキテクチャの設計
- セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計
- コストを最適化したアーキテクチャの設計
弾力性に優れたアーキテクチャの設計
要件に対して適切なアーキテクチャを設計する力が必要です。
データベースやセキュリティの専門用語も出題されますので AWS のサービスだけではなく、ネットワークインフラの基礎知識を抑えましょう。
特にデータ・冗長構成に関する問題が多く出題されます。構造化データ、半構造化データ、非構造化データの違いを明確にしそれぞれに対応する AWS データサービスを選択できるように知識を身に着けましょう。また、DBのマルチAZ構成やロードバランサーでの負荷分散・高可用性の実現など、付近のサービスと共に学習しましょう。
高性能アーキテクチャの設計
ニーズや負荷が上がっても高可用性を維持するような設計が求められます。
また、複数のサーバーを利用している際には負荷が一箇所に固まらないように負荷分散を行うようなサービスを使用しアーキテクチャ設計をおこないます。
また、予測不能な物理的な障害に対する対策もしましょう。マルチAZ構成やインスタンスレベルでの障害に対しても可用性を維持できるようなアーキテクチャを構築します。
セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計
セキュアとはセキュリティのことです。セキュリティ要件がしっかりしているアーキテクチャの設計をおこないます。
具体的にいうとアクセス権の制御やでデータの暗号化、ネットワークのセキュリティ対策、 VPN などがキーワードとして上がります。
セキュリティ、コンプライアンスサービスには下記のようなものがあります。
- AWS Certificate Manager (ACM)
- AWS Directory Service
- AWS Identity and Access Management (IAM)
- Amazon Inspector
- AWS Key Management Service (AWS KMS)
- AWS Shield
- AWS WAF
コストを最適化したアーキテクチャの設計
こちらは AWS サービスのコストについて出題されます。
例えば S3 というストレージサービスでは、データの保存方法をアクセス頻度やデータの取得時間に応じて選択できます。
他にも長期契約のサービスプランやスポットインスタンスなどの割引プランをどのような場面で使用するのか理解しましょう。
SAA 対策で使用した学習資料
ここまで SAA の試験の簡単な概要についてお伝えいたしました。次は SAA の試験に合格するまで、私が使用した学習資料をご紹介します。
それぞれ詳しく解説していきます!
クラウドも初学者の方だと 200 時間くらいかかることもあると思います
(筆者は AWS ・インフラともに未経験、 Azure を使用したことがあるのでクラウド、オンプレミスの違いがわかるくらい)
ひたすら過去問をとき、問題になれて合格するという勉強方法であれば 1, 2 週間で 50 時間程度の勉強で済むかと思います。
試験対策問題
こちらは AWS にて公開されている SAA の模擬問題集です。
本番同様レベルの問題を解くことができます。
サンプル問題【出典:AWS】
ただ、問題を解くだけではなく、問われているアーキテクチャを実際に書き出してみるなどするとより、理解を深めることができます。
これだけは抑えておくべき内容
Solution Architect Associate はAWS の設計指針である、AWS Well-Architected がベースとなり、出題されます。
AWS Well-Architected では、6 つの柱 (優れた運用効率、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コストの最適化、持続可能性)を元にアーキテクチャ構築や運用の指針を考えます。それぞれの意味合いについてしっかりと理解をしたうえで各サービスや模擬問題に取り組むとより良い成果がきたいできます。
ぜひSolution Architect Associateの資格試験に挑戦してください!